超高圧下で安定な水酸化鉄の新しい高圧相を発見

理論的に予測され実験で実証したパイライト型水酸化鉄

記者説明会での西助教(左),土屋准教授(右)

 GRCの西真之助教と土屋旬准教授を中心とする研究グループは、ダイヤモンドアンビルセルと放射光を用いたX線その場観察実験と、スーパーコンピュータ「京」などを用いた第一原理電子状態計算に基づき、水酸化鉄(FeOOH)が約80万気圧の高圧下で新しい高圧相(パイライト型構造)に相転移することを初めて明らかにしました。

従来の学説では、水酸化鉄は水素(H2)と酸化鉄(FeO2)に同様の圧力条件下で分解すると考えられており、下部マントルの酸化状態と関連して注目を集めていました。その学説と異なり、今回の研究結果は新たに発見されたパイライト型水酸化鉄がプレートの沈み込みによりマントル深部へ水を輸送することを示唆するものです。本研究成果は、地球深部においていまだに解明されていない水の役割と循環を明らかにする新たな知見となると期待されます。
本研究成果はNature誌に掲載される予定(7月13日)で、オンライン版に7月4日に先行発表されました。

【発表論文】
Masayuki Nishi, Yasuhiro Kuwayama, Jun Tsuchiya, and Taku Tsuchiya, The pyrite-type high-pressure from of FeOOH, Nature, doi:1038/nature22823, 2017.

【参考HP】
プレスリリース資料 https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/data_relese-58867/
論文HP https://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature22823.html
Nature http://www.nature.com/nature/index.html
東京工業大学地球生命研究所(ELSI) http://www.elsi.jp/
SPring-8 http://www.spring8.or.jp/ja/
スーパーコンピュータ「京」http://www.aics.riken.jp/jp/k/ 

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