下部マントル粘性率の実験的制約に成功

下部マントルの対流の様子(図の提供:岡山大学辻野典秀助教)

 岡山大学惑星物質研究所の辻野典秀助教らと、GRCの西原遊教授、高輝度光科学研究センターの肥後祐司主幹研究員らの共同研究チームは、下部マントルの温度圧力条件下でブリッジマナイトの変形実験を行ない、放射光X線を使った歪と差応力の測定によりブリッジマナイトの粘性率を直接決定しました。これにより、これまで地球物理学的観測に基づいて報告されていた下部マントルの高い粘性率はブリッジマナイトの粘性率でよく説明できることが明らかになりました。さらに、これまで十分に制約することのできなかった地球マントル深部での差応力や鉱物の粒径が初めて見積もられ、これに基づいて下部マントルの大部分は上部マントルなどとは独立に対流していることが明らかになりました。

 本研究を実施する上で、GRCの西原教授らが中心となって高エネルギー加速器研究機構に設置したD111型装置と呼ばれる変形実験装置が大きな役割を果たしました。また西原教授らは、更に大型のD111型装置を昨年放射光施設SPring-8に設置して新たな研究を開始しており、今後も地球惑星深部の動的挙動に関する新たな知見が得られることが期待されています。

 本研究成果は、アメリカの総合科学誌Science Advancesに2022年3月30日(水)付けでオンラインにおいて発表されました。


【論文】 Tsujino, Daisuke Yamazaki, Yu Nishihara, Takashi Yoshino, Yuji Higo, Yoshinori Tange, Viscosity of bridgmanite determined by in situ stress and strain measurements in uniaxial deformation experiments, Science Advances, 8(13), doi:10.1126/sciadv.abm1821, 2022.






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