2011年9月25日〜30日の6日間に渡り、インドのムンバイで開催された第23回国際高圧力学会(AIRAPT-23)の総会において、GRCの入舩センター長が、50年近い歴史を持つ同学会で日本から初めて会長に選出されました。
AIRAPTは、高圧力を手段とした科学・技術に関する様々な分野の先端的研究成果が発表される学際的国際会議で、2年に一度、関係諸国において持ち回りで開催されています。
総会では、日本から入舩センター長が会長に、アメリカ・スペインから副会長が選出されました。これにイタリア・アメリカからの2名の委員を加えた5名の執行部と各国から選出された13名の評議員により、10月から新たな体制で運営されます。会長は原則的に2期4年務めることになっており、次回のAIRAPT総会は2013年にアメリカのシアトルで、次々回はスペインのマドリードで開催される予定です。
会議においては、日本からはやはり入舩センター長がPlenary Lecturerに選ばれ、新会長としての挨拶とともに、ナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)の合成と特性、またその応用に関して50分間の講演をおこないました。また、GRCは海外の各種企業と並んで大学では唯一展示ブースを出し、山田リサーチアドミニストレーターを中心に、GRCの活動を紹介し注目を集めました。特にヒメダイヤの実物の展示には多くの人が集まり、超高圧技術への応用のための新たな素材として、国際的にも高い関心を集めていることが示されました。また、ヒメダイヤを用いた共同研究の申し入れが多数寄せられるとともに、GRC関連博士後期課程の地球深部物質学特別コースや グローバルCOEニュースレターにも、多くの関心が寄せられていました。
ムンバイは大都市ですが、ここ数年テロが頻発しており、本学からも渡航注意がでていました。ホテルに戻るたびにX線チェックされるなど、厳重なセキュリティーチェックのため、特に治安上の問題はありませんでしたが、広大なスラムの存在に多くの参加者は衝撃を受けていました。会場となったBhabha原子力研究所(BARC)は特に警戒が厳重で,、朝ホテルを出てから夜の食事が終わるまで、5日間はほぼ軟禁状態でした。また、会議場へのカメラ持ち込みは禁止され、発表に用いるPCも持ち込み申請を必要とされました。一方で、このような状況のため、通常の国際会議に比べて、海外からの参加者とより深く接触・議論する機会がありました。
入舩センター長が国際高圧力学会会長に就任