地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)と住友電気工業(株)の共同研究により開発された、世界最硬「ヒメダイヤ」(ナノ多結晶ダイヤモンド)が、 同社および関連会社からスミダイヤバインダレスの名前で販売されることが発表されました。
  GRCと住友電工(株)とで共同開発がすすめられてきたナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)が、同社および関連会社により本年2月から製品(スミダイヤバインダレス) として販売開始されることが2012年1月16日(月)付で同社からプレス発表されました (http://www.sei.co.jp/news/press/12/prs006_s.html)。 住友電工では、超硬合金などの硬脆材向け微細加工ボールエンドミル・旋削バイトを、関連会社のアライドマテリアルでは、 光学部品用金型などの硬脆材の超精密加工向けた切削工具を開発し、販売を開始する予定です。 同社の販売計画によれば初年度売上2億円、3年後に12億円を目指すとのことです。  
  ナノ多結晶ダイヤモンドは、入舩センター長が20年あまり前に合成に成功し、 2000年代初めまでにその生成条件が明らかにされました。その後住友電工の共同研究者により 硬度等の測定がおこなわれ、特異な高い硬度とナノ組織が明らかにされ、2003年にはネイチャー誌に発表されました (Irifune et al., Nature, 421, 599-600)。前後して住友電工および四国TLOと基本特許を共同出願し、 同社にマルチアンビル合成技術を移転するとともに、共同研究によりその高品質化・大型化に取り組んできました。 GRCでは2009年に設置された現在世界最大の多アンビル装置「BOTCHAN-6000」を用いて、2010年に1p級ヒメダイヤの合成に成功するとともに、 その超高圧実験への応用に取り組んでいます。


GRC設置のBOTCHAN-6000(左)で合成され、多アンビル超高圧装置用に加工されたヒメダイヤ(左)

                       
ヒメダイヤの製品化
← 2011年度一覧へ戻る