地球深部ダイナミクス研究センターは、理学部と工学部において展開されてきた(1) 超高圧実験や放射光実験による地球構成物質の研究、(2)地震波トモグラフィー (CT)による地球深部構造の研究、(3)流体圧下での物性精密測定技術等を有機的に結びつけ、 地球深部の物質科学・構造・ダイナミクスに関する研究教育の一層の推進を図ることを目的に 本年4月に設置されました。これらの分野に対応して超高圧、地震学、流体物性に関連した 3つの部門と外国人客員部門から構成され、純増教官ポストやいくつかの非常勤ポストも措置されています。
 センターが設立されて早くも半年近くたちますが、この間それぞれの個人やグループにおける研究の 展開とともに、センター全体としてセミナーの定期的開催や、ホームページの立ち上げ、 パンフレットの作製等の活動をおこなってまいりました。また、これまでに外国人客員教授、 非常勤研究員、研究支援推進員の採用をすすめるとともに、新規増を含め現在複数のポストの 教官の選考をすすめております。
 平成11年に立ち上がった沿岸環境科学研究センターが、特に応用研究や地域貢献の面での 本学の特徴ある研究活動拠点と 位置付けられているのに対し、本センターは基礎科学分野の研究振興と学際的研究の発展 のための重要な核としての役割が期待されております。センター教官一同このような大きな 期待に応えるべく、国際性(international)、革新性(innovative)、学際性(interdisciplinary) の3つの言葉を目標に今後もより一層活発な研究活動をすすめたいと考えております。

 このような目標を達成するための一つの重要な方策として、センターでは学内外から講師を 招いてほぼ毎週ジオダイナミクスセミナーを開き、地球深部科学および関連する広範な 基礎科学分野の研究者との研究交流を活発におこなっています。5月からの4か月の間に 15名ほどの講師にそれぞれの分野の最先端の話題を提供していただいておりますが、 そのうち4名は外国からの訪問者によるものです。学内からもセンター教官、あるいは 地球科学関連教官以外に理学部・工学部を中心に講演をお願いしております。 今後も多くの分野の先生方に講演を依頼する予定ですが、その節は是非ご協力 賜りますようお願い申し上げます。

 最後になりましたが、センター設立に際しては理学部・工学部をはじめとした 学内の諸先生方や事務方、また学長をはじめ本部事務局の皆様にはひとかたならぬ 御尽力と御協力をいただきました。この場をお借りして、心よりお礼申しあげます。 尚来る9/14(金)には、センターの新設記念講演会と祝賀会を予定しておりますが、 多くの皆様がたのご参加をお願いできれば幸いです。

入舩 徹男