今年は桜の開花も例年になく早く、いつの間にか初夏を感じさせる頃となりました。教官5人で昨年4月にスタートしたGRCも、早くも設立2年目を迎えました。この間2名の新教官と1名の外国人客員教授、さらには研究支援推進員、研究機関研究員、学振PD特別研究員等が新たに加わり、センターも大変活気に満ちて参りました。また、事務のほうも研究協力課の研究第二拠点として専門職員および事務補佐員各1名が措置され、日頃いろいろなご支援をいただいております。
一方、6名の博士課程の学生や学振DC特別研究員を含め、現在6か国に及ぶ異なる国籍の大学院生や研究員が滞在しており、国際色豊かな環境の中で研究教育活動が展開されております。しかしながら、以上のような教官・研究員・博士課程学生に加えて、GRCスタッフは多くの修士課程学生や卒論生も抱え、研究室や実験室は文字通りすし詰めの状態にあります。特に理学部には特別のご配慮をいただいてはおりますが、総合研究棟の早期竣工が強く望まれるところです。
この1年間はセンター立ち上げ期間と位置付け、様々な活動をおこなってきました。本来の各スタッフの研究活動はもとより、年間40回に及ぶジオダイナミクスセミナーの開催、ホームページやニュースレターによる情報発信、設立記念会の開催等を通じ、学内外にセンターの設立を広くアピールして参りました。この結果、愛媛大地球深部研・GRCの名前は国内外にかなり浸透し、新しい共同研究の芽も生まれつつあります。
このような共同研究の芽を大きく育て、本学の特徴ある研究と学際的・先端的研究を更に強力に推進するために、GRCでは学内の研究員および学外の共同研究員制度を創設し、4月の学術審議会での審議を経てセンター規程にこれを新たに盛り込みました。本年度はそれぞれ10名程度の研究員をお願いし、実質的な共同研究をスタートさせたいと考えております。研究員・共同研究員の方にはジオダイナミクスセミナーでご講演いただくとともに、センター所有の機器類等を活用したGRCスタッフとの共同研究を推進いただく予定です。詳細につきましては、GRCスタッフにお問い合わせください。
共同研究に供することが可能な大型装置も、昨年度の高度化設備費と第2次補正予算で整備されつつあり、来年早々に予定されている基礎科学総合研究棟の竣工までにはいくつかの特徴ある装置が導入される予定です。GRC既設の多アンビル型超高圧発生装置等に加え、この3月には分析走査電顕と顕微ラマンを組み合わせた、コマーシャルベースでは世界でもほとんど例のないSEM-RAMAN分光分析装置が導入され、既に立ち上げ実験が開始されております。また、今後3000トン級の大型超高圧発生装置等も導入を予定しており、これらの特徴ある機器を生かしたGRC独自の新しい研究や、学内外との学際的共同研究を推進したいと考えております。
入舩 徹男