4月1日をもって愛媛大学も国立大学法人としてのスタートを切りました。法人化移行に際して多くの課題が山積しているようですが、学長の強力なリーダーシップのもと、順調な滑り出しができたようです。法人化に関連し、GRCとしては学長の発案に基づく「スーパーサイエンス(SS)特別コース」入試の実施と、来年度からの学生受け入れのための準備において貢献することが、当面の重要課題の一つであると考えています。
GRC教官は地球深部科学の先端的研究に従事するとともに、共通教育や理学部・工学部の学部教育、また理工学研究科の修士・博士課程大学院生の教育において少なからぬ貢献をしてきました。自前の学生に対する教育により、この3月にはGRCから3名の博士号取得者を輩出し、また来年以降も毎年数名の博士課程修了者がでる見込みです。修了者は国内外の研究機関などで活躍しており、今後のさらなる活躍が期待されます。上記SSコースの設置は、このような教育・研究者養成面において、長期的には非常に重要な役割を果たすものと考えています。
法人化に伴い自らの目標の設定とその達成度が、組織の存続・発展において重要であることは明白です。GRCではこの点を踏まえて、各グループおよび教官・研究員の現状を自らあるいは相互に把握し、中期・長期的目標達成のための当面する課題を鮮明にするため、法人化直後の4月2日に独自に「内部評価」をおこないました。この評価では、過去1年間の研究・教育およびその他の活動の資料を準備していただき、これに基づきセンター長による個人およびグループのアクティビティーに対するコメント、および全員によるフリーディスカッションという形をとりました。評価に際しては、学位授与・大学評価機構が平成13年度に試行的におこなった理学系研究評価の、地球科学系評価基準を参考にしました。これにより個人、グループ、またGRC全体における問題点の洗い出しと今後の方向について、スタッフ相互の忌憚のない意見交換をおこないました。
実施するだけに終わりがちな自己点検・評価や、(海外も含め)仲間うちの審査員による外部評価では、組織としての評価・点検やその結果に基づく自律的改革にとってどれほど意味があるのか、はなはだ疑問に思います。組織の健全な発展のためには、内部の相互理解と建設的批判に基づく問題点の共有、そしてその解決にむけた共同した取り組みこそが大切ではないかと考えます。この点で、今回の「内部評価」は、試行的とはいえ一定の成果があったのではないかと思います。今後このような機会を年1回程度開くことを目指すとともに、その討議内容をどのように取り扱い、GRCの今後に生かして行くか更に検討していきたいと考えています。
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