第216回ジオダイナミクスセミナー
Geodynamics Seminar
「新奇Aサイト秩序型ペロブスカイト酸化物の探索と構造・物性評価」
"High-pressure synthesis, crystal structure, and physical properties
of new A-site ordered perovskite oxides"
山田幾也(愛媛大学理工学研究科教員)
主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
日時 : 2008年11月21日(金)17:00〜
場所 : 愛媛大学理学部講義棟1F101室
要 旨
ペロブスカイト酸化物は地球深部の主要構成物質であると共に、誘電体、磁性体、高温超伝導体などの電子材料としても知られている。ペロブスカイト酸化物は、通常ABO3(A:アルカリ、アルカリ土類、希土類金属、B:dブロック遷移金属)の一般式で表される組成を持ち、Aイオンを、イオン半径・価数の異なるイオンに部分置換することで、結晶構造の歪みを誘起したり、dブロック遷移金属にホール・電子キャリアを導入でき、磁性・電気伝導性が劇的に変化する。一方で、部分置換したイオン同士のサイズ・価数が大きく異なる場合は、それらはランダムな固溶状態を取らずに、秩序配列することが知られている。
本セミナーでは、Aサイトの3/4(=A'サイト)をヤーン・テラー性の強い3d遷移金属Cu2+、Mn3+が占め、秩序化した構造を持つAサイト秩序型ペロブスカイトAA'3B4O12を対象に、高圧合成法による新物質探索を行った結果について述べる。電荷不均化を起こすフェリ磁性体CaCu3Fe4O12の構造・物性について解説し、最近、GRCで合成した新物質の物性についても触れる。
問い合わせ先:土屋 卓久 TEL (089)927-8198
E-mail takut@sci.ehime-u.ac.jp